生の声
１０歳代 男性 岡山県 ２０２３・１１・２１（過敏性腸症候群 腹痛下痢型）
大変だなあと思う。もう何十年も遠ざかっているから、今の受験状況などほとんど目の当たりにはしないのだが、インターネットで相談を多く受ける立場上、垣間見る機会は多い。
東大教授の安富先生が言われていたが、教育機関とは、言い換えれば有能な働き手を作る機関だそうだ。そう言ってしまえば身も蓋もないが、当たっているような気がする。確かにそうだ。いい職に就くために皆、大学まで頑張っていっているのだから、正にその通りだ。学問を極めると言う動機を持っている人は少ないと思う。ただ芸術系や体育系は結構本人のやりたいことと直結していることは多そうだが。
塾となるとなお縁遠い。僕の子供たちとは無縁だったし、そもそも田舎だから塾などと言うのは個人が教える昔ながらの寺子屋みたいなものしかない。だから今日、あるお母さんからの報告に少し戸惑った。
９月に相談を受けた時には、学校に行く日も、週末塾に行く日も腹痛がして下痢をすると言うものだったが、今日の報告では、学校にいく日は腹痛も下痢も治ったと言うのに、塾の日がまだ治らない。岡山弁で「なんじゃそりゃあ」と思わず声が出る。学校より塾の方が負担になっているの？９９％は逆だ。初めてのケース。
僕が大学時代アルバイトをしていた塾は、家にいたら親に勉強を強いられるから、遊びに来るところだった。当然僕もそれを知っていたから、子供に勉強など教えなかったし、不良の中学生にタバコを貰ったりしていた。貧乏学生が裕福中学生にタバコを貰っていたのだ。古き良き時代と言ってしまえばそれまでだが、少なくとも塾は学校のしりぬぐい程度だった。それが今や逆転しているのか。
世の中のあるべき姿と、人のあるべき姿が相いれないようになったことへの無意識の反乱が進行しているように思う。
